言語思考の特徴と定義

言語思考は、物事を主に言葉や文章によって考える認知スタイルです。

頭の中で文字どおり「内なる会話」をしながら思考を進め、言語的な論理や説明を組み立てるのが得意です。情報を扱うときもテキストや音声として処理する傾向が強く、本を読んだり書いたりしながら理解を深めるタイプです。

論理的思考力が高い 言葉を使って因果関係や筋道を整理するのが得意です。物事を順序立てて考え、「まずA、それからBだから結果Cになる」といった風に論理的に結論を導きます。
語彙力・表現力が豊富 言葉に敏感で、多彩な言い回しや正確な用語を知っています。感じたことや複雑なアイデアも適切な単語を選んで表現できます。
文章化・記述が得意 考えたことを文章にまとめ、人に伝えるスキルがあります。読み手が理解しやすい構成を考えたり、プレゼン資料に説得力のあるキャッチフレーズを盛り込んだりすることができます。

日常生活や職場での傾向

言語思考の人は、頭の中で言語が常に流れているような日常を送っています。何か考えるときには独り言のように頭の中で言葉を並べ、「さて、これはどういうことだろう?まず○○で…」と自問自答しながら結論を出していくことが多いでしょう。

読書好き・文章好きな人が多く、情報収集も文章メディア(本、記事、報告書など)から得るのを好みます。職場では、会議の議事録をきっちり文章で残したり、報告メールで詳細に経緯を説明したりするタイプです。

議論や対話を通じて思考を深める傾向もあり、ブレストやディスカッションで意見を交わす中で自分の考えを洗練させていきます。「話しているうちにアイデアがまとまってきた」ということがよくあります。

他の認知スタイルとの違い

言語思考は、視覚思考(物体視覚・空間視覚)と根本的にアプローチが異なります。視覚タイプの人が図や映像で理解する場面でも、言語思考の人は頭の中で文章を読んだり声に出してみたりして理解することが多いです。

例えば、新しい機械の操作方法を覚えるとき、視覚思考者なら図解マニュアルを見て直感的に理解するかもしれませんが、言語思考者は取扱説明書の文章をしっかり読んで理解しようとします。

物体視覚思考者ほど絵や写真の細部には注意が向かず、空間視覚思考者ほど抽象的なパターンにも飛びつかず、一語一句の意味や論理のつながりに注目するのが言語思考ならではの特徴です。

強みと弱み、向いている仕事や働き方

強み

言語思考型の強みは、コミュニケーション能力と言語で考える力です。言いたいことを的確な言葉で表現し、相手に伝えるスキルは仕事でもプライベートでも大きな武器になります。

文章を書くのが得意なので企画書や報告書作成もスムーズですし、人前で話すプレゼンテーションでも論理的に話を組み立てることができます。

情報整理と分析も強みの一つです。複雑な情報を言語化して整理するのが上手なので、膨大な資料から要点を抜き出してまとめたり、議論の論点を論理的に整理して問題解決の道筋を立てたりできます。

また、学習能力の高さも挙げられます。言語思考の人は本や記事から知識を吸収するのが得意で、独学で新しい分野の知識を身につけたり資格試験の勉強に集中したりすることにも適性があります。

弱み

言語思考型の弱みとしては、非言語情報への適応が遅れがちという点が挙げられます。図やイラストだけで説明されると理解に時間がかかったり、直観的なひらめきより慎重な分析に時間を使う傾向があります。

また、頭の中がおしゃべりなぶん考えすぎてしまうことも弱点になりえます。文章で考えるとき、あれこれと言葉を尽くして考えるので、決断に時間がかかったり、シンプルな事柄を複雑に捉えすぎたりすることがあります。

向いている仕事や働き方

言語思考の人は、その名のとおり言語運用能力が求められる仕事に適性があります。代表的なのはライター、編集者、教師、法律家(弁護士など)、広報担当、営業、カウンセラーなど、人とコミュニケーションしたり文章を扱ったりする職業です。

また、論理的思考を活かせるプログラマーや会計士なども、実はコードや数字を一種の言語として捉えて論理構築する仕事なのでマッチすることがあります。

働き方としては、言語によるアウトプット機会が多い環境が望ましいでしょう。チームで頻繁にコミュニケーションを取る職場や、自分の考えをレポートや資料にして共有するような業務スタイルだと力を発揮します。

他のタイプとのコミュニケーションのコツ

言語思考タイプの人が視覚思考タイプ(物体・空間)と円滑にコミュニケーションするには、お互いの情報の扱い方の違いを理解して橋渡しすることが大切です。

  • ビジュアルを言葉に、言葉をビジュアルに: 視覚タイプの人は図や直感で理解していることが多いので、「見せてもらう」「描いてみせる」ことが有効です。
  • 要点を意識する: 言語タイプはつい細かく説明しがちですが、視覚思考の人は長い説明を聞くと飽和してしまうことがあります。まず結論や要点を一言で伝えてから詳細に入ると伝わりやすくなります。
  • フィードバックを言葉で確認: 視覚タイプの人からフィードバックをもらうときは、自分の言葉で確認のための言い換えをすると誤解が減ります。

自己理解・他者理解への活用例

自己成長に活かす

自分が言語思考タイプだと知ったら、まずその強みである「言語化する力」をあらゆる場面で活用してみましょう。頭の中がモヤモヤしているときは書き出して整理する、難しい課題に直面したら言葉に分解してみる、といった具合です。

逆に、非言語情報に弱いと感じるなら、あえてビジュアルで理解する練習をしてみるのも自己成長につながります。普段文章で読んでいるニュースをグラフで見てみる、マインドマップでアイデア出ししてみるなど、言語以外のアプローチを取り入れると新たな発見があるでしょう。

チームワークに活かす

他者理解の面では、言語思考タイプのあなたはチームの「通訳者」的存在になれます。物体視覚思考の人がふわっと感じているアイデアを聞き出して言語化してあげたり、空間視覚思考の人が考えた複雑な構造を噛み砕いて他のメンバーに説明したりできます。

お互いの強みを認め合い、弱みをカバーし合うことで、1+1を3にも4にもできるのが異なる認知スタイルの良さです。

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認知スタイルの学術論文について

以下の論文では、視覚イメージ時処理と言語情報処理に関わる認知スタイルついて、「物体視覚思考」「空間視覚思考」「言語思考」を測定する質問票を作成し、その妥当性と信頼性を明らかにしています。

視覚イメージと言語に関わる認知スタイルの個人差の検討(論文はコチラ

出典:川原正広. 視覚イメージと言語に関わる認知スタイルの個人差の検討―物体視覚思考・空間視覚思考・言語思考: 表象スタイル質問票の作成―. イメージ心理学研究, 2022, 19.1: 11-20.

本研究によれば、日常生活で思考や推論,問題解決を行う際に用いる情報処理の個人差を検討することを目的とした研究などで有用な指標となりうるとの事です。

言語思考者の適職

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