物体視覚思考の特徴と定義

物体視覚思考は、情報を頭の中で具体的な絵や画像として扱う認知スタイルです。
まるで写真を見るように物事をイメージし、細部まで鮮明に思い浮かべることができます。視覚的な情報を使って考えるのが得意で、複雑な問題でも絵や図解で整理しながら解決策を導き出したり、アイデアを発想したりします。
視覚的記憶力が高い | 一度見たものや光景を細部までよく覚えています。例えば、初めて行った場所でも風景や看板の色まで覚えていたり、昔の思い出を映像のように思い出せたりします。 |
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形や配置の認識に優れる | 物の形状や配置関係を把握するのが得意です。パズルを直感的に解いたり、家具の配置換えを頭の中でシミュレーションするのもお手のものです。 |
創造力が豊か創造力が豊か | 視覚イメージから新しいアイデアを生み出す力があります。絵を描いたりデザインを考えたりするのが好きで、ユニークな発想で周囲を驚かせることもあります。 |
日常生活や職場での傾向
物体視覚思考の人は日常でも視覚優位な行動が目立ちます。例えばメモを書くときに文章よりイラストや図表を描いて整理したり、話を聞いていると頭の中に情景が浮かんだりすることが多いでしょう。初対面の人の名前は忘れても顔や服装は覚えている、といったこともありがちです。職場では、口頭の説明だけでは理解しづらくても図解やサンプルを見ると一気に飲み込めるタイプです。会議中にアイデアを説明するとき、紙にササッと図を描いて補足したりすることもあるでしょう。「百聞は一見に如かず」で、視覚資料があると実力を発揮します。
また、過去に見聞きしたプロジェクト事例やデータのビジュアルを記憶していて、「あのときのグラフと似ている」「以前見たデザインのここが参考になる」などと記憶を引き出して応用する場面もあります。細かなところまで映像のように覚えているため、「誰が何をどんな環境で話していたか」をシーンごと記憶していることさえあります。
一方で、頭の中にイメージが浮かびすぎてしまい、話を順序立てて説明する前につい絵を描き始めてしまうなんてこともあるかもしれません。
強みと弱み、向いている仕事や働き方
強み
物体視覚思考の最大の強みは、その卓越したビジュアルイメージ能力です。頭の中に鮮明な映像を思い描けるため、アイデアを直感的に形にするスピードが速いです。デザインや設計などでは細部まで行き届いた発想ができ、クリエイティブな解決策を生み出せます。また、視覚的記憶が良いおかげで過去の経験や知識を必要なときにパッと再現し活用できるのも強みです。さらに、部分を見て全体の問題点に気づく洞察力もあります。
弱み
一方で、言語で論理立てて説明したり抽象的な理論を扱ったりする場面は少し苦手かもしれません。自分の頭の中では完璧なイメージができているのに、それを言葉に置き換えるのに時間がかかったり、「百聞は一見に如かず」を地で行ってしまうため口頭でのプレゼンに苦戦したりします。また、数学の抽象的な記号操作よりも、図形を使った幾何学的な考え方の方が理解しやすい傾向があります。
向いている仕事や働き方
物体視覚思考の人は、そのビジュアル思考力を活かせるクリエイティブ職や設計職で才能を発揮します。例えば、グラフィックデザイナー、イラストレーター、建築家、プロダクトデザイナーなどはまさに適職といえるでしょう。視覚のひらめきが要求されるUI/UXデザイナーや映像クリエイターなども向いています。また、働き方としては視覚資料を多用する業務スタイルがマッチします。
他のタイプとのコミュニケーションのコツ
物体視覚思考タイプの人は、自分とは異なるスタイルの人と接するときにお互い工夫が必要です。
言葉 + 画像で伝える | 言語思考の人に自分の考えを伝えるときは、頭の中のイメージを一生懸命言語化するより、図やサンプルを見せながら説明すると効果的です。 |
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相手の話をイメージで補完する | 空間視覚や言語タイプの同僚の話を聞いていてピンと来ないときは、自分なりに図解してみたり、心の中で映像化しながら聞くと内容を掴みやすくなります。 |
相手のペースに合わせて話す | 視覚派は頭の中で画像が先行してパッと閃くぶん、結論を急いでしまうことがあります。順を追った説明を心がけましょう。 |
自己理解・他者理解への活用例
自分の強みを活かす
物体視覚思考型だと分かったら、日々の学習や仕事にビジュアルツールを取り入れると効果的です。自分のアイデアは積極的にスケッチやプロトタイプに起こしてみると、頭の中のイメージを現実のものとして他者に伝えやすくなります。
チームで補完し合う
他者理解にもこのスタイルの知識は役立ちます。物体視覚思考の人は往々にして空間視覚思考や言語思考の人と協力することで大きな成果を出せます。例えば、美術的センスを持つ物体視覚タイプのデザイナーと、数理的センスを持つ空間視覚タイプのエンジニアがペアを組めば、製品の見た目も機能も高い次元で実現できます。また、自分にない視点を持つ言語思考タイプの人からフィードバックをもらうことで、新しい発想のヒントを得たりすることもできます。
こうした相互補完の関係を意識すると、異なる認知スタイル同士でも互いに学び合い、チーム全体で創造性を高めることができます。
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認知スタイルの学術論文について
以下の論文では、視覚イメージ時処理と言語情報処理に関わる認知スタイルついて、「物体視覚思考」「空間視覚思考」「言語思考」を測定する質問票を作成し、その妥当性と信頼性を明らかにしています。
視覚イメージと言語に関わる認知スタイルの個人差の検討(論文はコチラ)
出典:川原正広. 視覚イメージと言語に関わる認知スタイルの個人差の検討―物体視覚思考・空間視覚思考・言語思考: 表象スタイル質問票の作成―. イメージ心理学研究, 2022, 19.1: 11-20.
本研究によれば、日常生活で思考や推論,問題解決を行う際に用いる情報処理の個人差を検討することを目的とした研究などで有用な指標となりうるとの事です。
物体視覚思考者の適職
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